CIとモデリング ―モデル内包学習―
黒江康明(同志社大学・京都工芸繊維大学)
CIにおけるモデリング
システムズアプローチにおけるCIの二つの立場
知能的なシステムをいかに構築するか.
システムをいかに知能的に構築するか,あるいはシステムにおける諸問題をいかに知能的に解決するか.
CIには様々な立場のモデリングが存在
対象のシステムのモデリング
実現したいコト,モノ,問題のモデリング
方法の開発のためのモデリング
CIによるモデリング・アナリシス・シンセシスの統合
CIとシステムモデルの捉え方
システムズアプローチ -モデルをどのようにとらえるか
知能を実現するシステムモデル
高次元化した問題解決のためのモデル
クリフォード代数表現、量子表現のニューロコンピューティング、学習
最適化、探索エージェントの高次元化、群強化学習
システムを知能的に実現するシステムモデル
異種のモデルを統合したシステムの解析と設計
数学モデル,アルゴリズムモデル,論理モデル,シミュレータやデータもモデルと捉える.
モデルベースからモデルフリーへ
モデル内包学習 (ブラックボックスではない学習)
試行錯誤をモデリング
強化学習.群強化学習
データ同化によるモデリング
ガウス過程回帰によるモデリング
モデル内包学習 (model inclusive learning)
概要
未知対象に対する事前知識をモデル化(Partial Model)
ニューラルネットワークの学習ループにこのモデルを内包させて学習
特徴・利点
教師信号が、直接得られない場合にも対応できる。
事前知識を有効に利用できる。
定性的・定量的に優れたモデリングを実現。
過学習を防ぐことができる。
応用
陰影画像からの物体の形状復元問題への応用
内包する事前知識:リフレクタンスマッピングと呼ばれる物体の表面形状と画像の陰影の関係式
動きベクトル場の推定問題への応用
内包する事前知識:動きベクトル場は一般に,渦無しベクトル場と湧き出しないベクトル場で表されるという性質
感染対応病室内における空気清浄効果の推定
内包する事前知識:速度ベクトル場で成り立つ連続の関係式と濃度場で成り立つ拡散方程式(偏微分方程式)
https://gyazo.com/0d2626db76aa81f2ca6266357eecff7e
モデル内包学習でNはN何を実現しているのか
陰影画像からの物体の形状復元問題への応用
与えられた画像データに対し,リフレクタンスマッピングと呼ばれる物体の表面形状に関する偏微分方程式を,NNは学習により解いている.解が物体の表面形状を表す非線形関数となる.
動きベクトル場の推定問題への応用
ベクトル場を表す非線形関数を,NNは学習により疎に与えられたデータより再構成している.その際,通常の動きベクトル場で成り立つ性質「動きベクトル場は一般に渦無しベクトル場と湧き出しないベクトル場で表される」を満たすよう非線形関数を再構成している.
感染対応病室内における空気清浄効果の推定
3次元空間の濃度場と速度ベクトル場を表す非線形関数を,NNは学習により疎に与えられたデータより再構成している.その際,速度ベクトル場で成り立つ連続の関係式と濃度場で成り立つ拡散方程式(偏微分方程式)を満たすよう非線形関数を再構成している.